I/T 系書籍(ビジネス含む)

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技術的な本については、ここには掲載しない。

以下のレビューは、読み返すと、その本を読んでいなくても言えることぐらいしか言ってないなあ・・・

ロジカル・シンキング

照屋華子、岡田恵子 著、東洋経済出版

どうしようもなく流行ったロジカルシンキング系の嚆矢(だと思う)。

書籍としては、考える枠組みとして一般論を展開しているが、有用なのはプレゼンテーション・パッケージ作成においてであろうと思われる。学術分野やフィールドの問題判別、システムのデザインなどにおいては、あまり有用とも思えない。そういうものの、底流としては、役に立つかもしれない。

要するに個人的なノウハウの集積であるため、ある程度集中して読めば、資するところも少なくないであろうという感じ。自分のスタイルというものができている人には、それを拡張するために有意義かもしれない。そうでない人には、モデルとして試しに採用してみるのも良いかもしれない。何れにせよ、先達のノウハウというものは、いつでも有意義だ。

七つの習慣

スティーブン・R・コヴィー 著、キングベア―出版

有名な本。Win-WinとかWin-Looseとか、聞いたことはあるのでは。その元ネタの本(だと思う)。

ちょっと前に企業のマネジメント層で流行ったらしく、関連するセミナーも多数開催された。

だから何というわけではないが、通常、こういうHow to系(?)の本を読むことはないので、なるほどと思うこともしばしばで、そういう自分に気づいた時は、我ながらちょっと恥ずかしい。

ご存知の通り、こういう本は、厳密に、学的に、精緻に読み解くようなものではない。読者にストレスを与えないように、最低限度の語句の定義などがなされ、議論ための準備をしっかりしようという姿勢で徹底されているが、言ったもの勝ちであることに変わりはない。

とはいえ、「流行った」というのが本書を他の類書と区別する最大の価値となっている。語句や言い回しなどが、共通の隠語として流通しているため、むやみに振り回す向きもあり、会話のための共通の話材として一読しておくのも悪くない。

あとは読む人しだい。ごみを入力しても宝を出力する人もいるし、ごみの入力に適さない人もいる。

The Goal

エリヤフ・ゴールドラット 著、ダイヤモンド社
2001年5月17日 邦訳初版 (second revised edition 1992)

同期のKに紹介してもらった。その朝、地下鉄の社内広告で村上龍の推薦文を読んで気になっていたので、帰りに購入。一晩で一気に読み終える。とても面白かった。

主人公はメーカの工場の所長アレックス・ロゴ。納期遅れ、採算の悪化を理由に本社から工場の閉鎖通告を受ける。3ヶ月以内に再建すれば、閉鎖も見直すと言う。そこから、大学時代の恩師ジョナの示唆を受けながら、工場の仲間たちと試行錯誤の繰り返しで……

工場の生産ラインを、全体として最適化することが目標となるが、アレックスとその妻の関係がもう一つの筋として重なる。著者は、全体最適化はサプライチェインのマネージメントだけではなく、人生のマネージメントも目標だと言うことらしい。工場が持ち直すと、妻の態度も軟化し、新たな問題が生じると、妻との関係にも新たな問題が……と言う感じで、工場がうまくいけば、夫婦仲もまくいく!頑張れアレックス!……と言う話です。

企業の究極の目標とは「お金をもうけることである」として、部分最適化、コスト削減はその目的でしかないので、全体最適化の指標にはならないとする。そこで、企業が本当に生産的かどうかを計るための指標が次の三つ:

スループット
販売を通じてお金を作り出す割合
在庫
販売しようとするものを購入するために投資したお金
作業経費
在庫をスループットに変えるために費やすお金

「企業の究極の目標」を言い換えると、「スループットを増大し、在庫と作業経費を削減すること」となる。各々を両立させないと、矛盾をきたす。例えば、在庫削減を最大目標に掲げれば、在庫切れを起こし、チャンスロス、即ちスループットを減少させる。

このことを明確にすれば、「生産効率」を高める為に、売れる宛てのないのない商品を大量生産することが、生産的でない=非生産的=企業の究極の目標から遠ざかる行為であることが明白だ。

これだけではあたりまえの話だが、本書では上記三原則に則って、工場で次々に起こる問題を解決し、生産性を高めていく。解決方法やその策定が一々具体的なので、興味がない人には興味がないと思うが、宗教的にならずに面白い。その上、解決策を導き出したプロセスやベースとした原理は、メーカの工場だけに限定される話ではない。

本書はその実際の手法がどうこうと言うよりも、ロジカルに、系統立てて考えるモデルの一つと捕らえた方がいいと思う。つまり、原理を立てて、それに則って、仮説・検証を繰り返す。反証があれば原理に立ち返り、仮説を修正し検証し、時には原理を再検討する。

このような基本プロセスを経ることで問題が解決していくのは、読んでいて非常に気持ちがいい。現実のプロジェクトではもっとどろどろするだろうが、ソリューション策定の為に、プロジェクトに参画する方は読んでおいても有益だと思う。

また、所謂サクセスストーリーだし、登場人物はみんな物分りが良いし、読んでいて胸が悪くなるようなところは全くない。章立ても細かいので、疲れず読める良い本だと思う。

Read in Nov./2001

ユニバーサルHTML/XHTML

神崎正英 著、MYCOM(毎日コミュニケーションズ)
2000年11月2日 初版

本書は Web で有名な神崎さんの HTML/XHTML 解説本だ。

内容は三つのパートに分かれている:

  1. 情報のかたちを示すHTML
  2. ハイパーメディアとしてのHTML
  3. ウェブプロジェクトの企画と設計

詳細は神崎さんのサイトを御覧頂くとして、私が驚いた特徴をまとめてみます:

HTML/XHTML が正確
世の中の HTML 解説本の殆どはかなり深刻な間違いを犯しています。これは W3C の勧告と、業界標準(デファクト・スタンダード)を混同しているからです。その点、神崎さんの本書は W3C の勧告と現実の処理系の間でバランスを取りながら物凄く正確です。
Web の知識/プロトコルを説明
本書の内容は HTML/XHTML だけではありません。 W3C だけでなく、 ISO や RFC などの出典を明らかにしながら、ウェブ/インターネットのプロトコル/スクリプトまで解説しています。インタフェイス側からのウェブ・ソリューションの導入に最適なテキストだと思います。
内容が新しい
本書出版時には XHTML 1.1 は未だ勧告前でしたが、勧告後の現在から見ても適切に言及しています。
ウェブ・プロジェクトの勧め方/考え方に言及
おまけ水準ではなく、実に1/3の紙幅を裂いて解説しています。コンテンツディベロッパに限らず、チームのプロジェクトに参画される方には、是非読んでいただきたい内容です。

個人のウェブサイト製作者は勿論のこと、職業的なコンテンツ・ディベロッパ、ウェブソリューションプロバイダ、サーバ管理者などに読んでいただきたいと思います。特にサーバ以下のミドル屋/インフラ屋では、 (X)HTML の表示レベルのことは全く考えていない/触れないと言う方が殆どでしょう。そのような方には、ユーザインタフェイス部分としての (X)HTML の重要性やブラウザの挙動レベルのことにも目を向けるきっかけになると思います。


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